要旨:志賀直哉は日本大正時代の有名な作家で、白樺派を代表する小説家の1人である。代表作の『城崎にて』は日本文学史上の名作である。
また中日両国は死に対する態度において大きな違いがある。日本には昔から伝統として「死生観」というものが伝わっている。物の哀れや究極の美を追求するために、多くの作家は独特な死生観を持っている。そしてその死生観で自らの命を自殺の形で絶つ。志賀直哉は名作『城崎にて』で自分の死生観を詳しく描いた。筆者は作品に出てくる3種動物の死を通して、志賀直哉の死生観の変化を考察する。
城崎に辿りついたばかりの志賀は電車の事故、父との不和、生まれた長女の死亡などいろいろなことに悩ませて、微妙に死に親しい感情を示した。忙しく回る「蜂軍団」の中で静かでいた一匹の蜂の死体を発見し、死の静寂を感じた。一生懸命死の運命から逃げ出したい鼠を目撃することが彼に死ぬ前の恐怖を意識させた。最後に偶然石でイモリを殺したことによって、生と死は両極ではなく、いつでも転換できることと悟った。
この作品をめぐって、われわれは志賀直哉の心理活動を解読し、死生観の変化を把握することができ、彼の死生観を考察することができた。
キーワード:志賀直哉、城崎にて、死生観、3種動物
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1 作者について-2
2 作品及び創作背景-2
3 日本人の死生観-3
3.1 日本人の死生観-4
3.2 日本代表作家の死生観-4
4 志賀直哉死生観の考察-5
4.1 死への親しみ-5
4.2 死の静寂-6
4.3 死ぬ前の恐怖-7
4.4 生死一如-8
終わりに-9
参考文献-11
謝 辞-12