要旨:現代日本文壇の人気スターである吉本ばななさんは、村上春樹先生と、日本現代文学の「天王」、「皇后」と称される。処女作『キッチン』が発表してから、若い読者中心に非常な人気を博し、次々ストセラーのランキングに登った。そして、彼女の作品は多くの国で翻訳され、世界の文壇の中で“ばななブーム”を巻き起こし、彼女もいきなり多くの国内外の文学賞を受賞した。
吉本ばななの作品の中で、「死」というテーマは頻繁に取り上げられている。しかし、このテーマは消極的なものではない。彼女の作品の中で、生命は死亡のため陰鬱に覆われることはない。それどころか、読者は死から生活し続ける勇気をもらえる。小説に日本人が生に対する熱愛と死に対する闊達が描かれている。その故、彼女の小説はまた“癒し系”小説と誉められる。そのため、拙論は吉本ばななの代表作『キッチン』を出発点に、作品の主人公を視点にして現代日本人の死生観を分析してみたいと思う。
拙論ではまず吉本ばななの生涯・作品の特徴及び代表作『キッチン』の内容と主旨を紹介してみる。次に、日本人の死生観を探究し、日本人の死生観の歴史と由来と時代変化を詳しく述べたいと思う。また、『キッチン』を結びつけ、作品の中の生と死の構築と解読から、今の日本人の死生観を探求し、作品の死に向かって生きるという「癒し効果」を掘り起こる。そして最後に、日本人はほかの民族と異なる死生観を持っている。すなわち、生命への熱愛と死亡への平然という民族性である。そういう結論をつけてみた。
キーワード: 吉本ばなな;『キッチン』;死生観;癒し系
目次
中文摘要
要旨
第1章 はじめに-1
1.1 吉本ばななをテーマにした理由-1
1.2 吉本ばななと『キッチン』についての先行研究-1
1.3 本研究の観点-1
第2章 吉本ばななと『キッチン』-3
2.1 吉本ばななの紹介-3
2.2 吉本ばななの作品の特徴-4
2.3 『キッチン』の紹介-4
第3章 日本人の死生観-7
3.1 日本人の死生観について-7
3.2 日本人の死生観を形作った要因-7
3.2.1 地理の影響-7
3.2.2 仏教の影響-7
3.3.3 現代社会要因の影響-8
第4章 死に向かって生きる-9
4.1 『キッチン』の中の生と死-9
4.2 癒し系-9
4.3 生き甲斐の探求について-10
第5章 終わりに-11
5.1 結論-11
5.2 不足と今後の展望-11
参考文献-12
謝 辞-13