要旨:日本の現代文学に言及すれば、村上春樹は無視できない作家である。『ノルウェイの森』は村上春樹の代表作として、1987年日本で発行した後、1500万冊ほどを販売している。この物語は、主人公「わたなべ」が、自殺した友人「キヅキ」の恋人だった「直子」と、大学で仲良くなった「みどり」の2人の女性とのかかわりの中で「孤独感」について考え成長していくストーリーを描いた作品である。
先行研究は常に「孤独感」を着眼点として『ノルウェイの森』を考察したが、「自我」がその重要な手がかりである。一方、先行研究は村上春樹を自我問題に真剣に向き合う作家と見なして、「自我」をキーワードとして『ノルウェイの森』を研究している。しかし、現有研究には、他者、現実社会に対する意識の角度をも考慮することが少ない、それうえ、本論文は「自我」「自意識」の視点だけでなく、他者、現実社会に対する意識の角度をも考慮に入れて、『ノルウェイの森』における孤独感の本質について考察した。
まず、登場人物の孤独感のあり方を考察した。次に、上述の登場人物の「孤独感」の本質を解明するために、『ノルウェイの森』における若者たちの自意識、他者と現実世界に対する意識を考察した。その次、「孤独感」の形態を根拠として、「孤独感」を起こす原因を解明する。そして、『ノルウェイの森』における若者たちは膨張した自我を持ち、他者と現実世界からの隔離によって、一人ひとりに自閉的な世界を持っている。そのような他者と現実社会からの隔離、膨張sした自我による自閉性は彼らの「孤独」の本質であると思う。
したがって、『ノルウェイの森』は自我の再発見・確立の物語ではなく、膨張した自我から抜け出して、他者と現実世界を発見し、近づこうと試みる物語である。
キーワード:孤独感;自我;他者;現実世界
目次
要旨
中文摘要
1、はじめに-1
2、「孤独感」の形態類別-2
2.1他人を愛する能力を失った「孤独感」
2. 2自分のことを愛する能力を失った「孤独感」
2. 3他人を愛する能力が持っている「孤独感」
3、孤独感の実質-5
3.1主人公の自意識
3.2他者に対する意識
3.3現実世界に対する意識
4、孤独感を起こす原因-7
4.1現実世界から隔離した原因
4.2自分の世界に閉鎖した原因
5、おわりに-8
参考文献-10
謝辞-11