要旨
日本と中国は一衣帯水の隣国で、文化交流には長い歴史がある。古代から中世まで日本は長らく中国を注視しているが、その間に、中国文化を摂取・学習し、それを自分の独特な文化に変容・昇華せしめた。
それ反して、日本に対する中国の研究は僅かである。江戸幕府が門戸を閉ざす鎖国政策をとった時期に、中国と日本の交流はほぼ中断する。19世紀の後で、近代思想文化、科学技術はアジアへ伝わる。日本は西洋を見習い始め、明治維新を断行し、一挙に東アジアの最初の近代化国家になった。とくに戦後、日本はファシズムによる軍事的専制の桎梏を脱却し、学術文化は繁栄の道に入った。この段階において、多くの優れた学者が輩出し、時代交替のさ中に完璧な答案を引き出した。その中で、本論文の重要依拠著作「『甘え』の構造」の作者、土居健郎も含まれている。
戦後、土居健郎はアメリカで研究していた。奇妙な文化ショックの後で、彼は日本社会の独特な「甘え」思想を提出した。本論文は主に土居健郎の著作によって研究を行ない、その研究過程で日本の特異な文化特色を考察するものである。「甘え」心理への研究を通じて、日本人の単純で忠実な一面を知ることができる。日本社会は「甘え」を中心にしており、日本人は子供のように互いに依存し、心理上の慰めを探し求めている。同時に「甘え」は彼らの仕事ぶりに頑固な一面を与えている。彼らの問題処理には強固な原則性があり、融通がきかない。かくして、本論文はさまざまな方面から日本人が「甘え」心理に影響される所を分かりやすく示し、日本民族への理解を深めようとするものである。
キーワード:甘え 心理 社会 構造 影響
目次
要旨
中文摘要
1 序論1
2「甘え」とは1
2.1「甘え」の定義
2.2「甘え」の由来
3.日本社会における「甘え」の表現2
3.1「甘え」の社会体制
3.2「甘え」の人間関係
3.2.1義理と人情の関係とその実例
3.2.2他人への遠慮の関係とその実例
3.2.3内と外の関係とその実例
3.2.4「甘え」とタテ社会
4.「甘え」の精神病理の世界5
4.1日本人の「対人恐怖症」
4.2強い「被害者」意識
4.3集団主義と排他性
4. 4「甘え」と母性秩序の密接な関係
5.「甘え」の発展とその影響8
5.1「甘え」の近代化
5.2日本人の生活に対する「甘え」の影響
5.2.1家族に対する「甘え」の影響
5.2.2教育に対する「甘え」の影響
5.2.3社会に対する「甘え」の影響
6.「甘え」の将来展望10
7.結論.11
参考文献.13
謝辞