要旨:揚州は歴史のある街として有名であり、日本とのつながりが深い。近年、揚州市は日本の厚木市、唐津市、奈良市と友好都市になった。そこで、多くの日本人観光客が揚州に訪れる。しかし、揚州の観光スポットにおける案内表示の日本語訳が望ましくない現状である。筆者は揚州の痩西湖、個園、何園、大明寺及び唐城遺跡の五つの観光スポットを回って現地調査を行なった。そのうえ、収集した案内表示を「施設表示」、「規制表示」と「説明表示」に分類し、厳復に指摘された翻訳の難しさの「信」と「達」という2点に焦点を当て、案内表示の日本語訳を分析した。揚州観光スポットにおける案内表示の日本語訳に単純な間違い、語彙価値の不等価、表示の不統一、日本語表現の不自然さ、文レベルにおける不適切さなどの問題点が見られた。また、「説明表示」と「規制表示」には以上の問題点と文法上の単純な間違いが見られるだけではなく、内容の欠落や根も葉もない訳文のような「信」も足りない現象、及び文体の不統一などのような問題点も見られた。
キーワード:案内表示 日本語訳 「信」 「達」 問題点
目次
要旨
中文摘要
1. はじめに-1
2. 先行研究-1
2.1 日本における先行研究-1
2.2 中国における先行研究-2
3. 揚州の観光スポットにおける案内表示の調査及び分類-4
3.1 調査方法-4
3.2 調査結果-4
3.3 案内表示の分類とその定義-5
4. 考察-5
4.1 単純な間違い-6
4.2 語彙価値の不等価-7
4.3 表示の不統一-10
4.4 日本語表現の不自然さ-10
4.5 文レベルにおける不適切さ-12
5. おわりに-15
参考文献-16