要旨:『古事記』は日本で現存する最古の書籍として、日本国内の学者だけではなく、世界 中の日本学の研究者にとって、欠かせない貴重な原典資料である。特に、日本の神話と 歴史に間する研究に大きな役割を果たしている。しかし、今まで『古事記』の文学につ いての研究が多く、国民性格に関する研究はそれほど多く見られない。本論文の主な研 究方法は文献研究と陳述性研究である。『古事記』の神代神話に基づき、その中の人物 性格と人物関係を説明し、創世神話に見られる日本の国民性の多様性を考察する。進め 方としては、まず簡単に創世神話を紹介し、それに島国の民族性格、文化性格や女性性 格の変容などの三つの方面から日本国民性の多様性について議論を展開する。民族性格 の面では、「無為は有為」、「善を信じる」と「堅忍気性」の三つの角度から分析する。 文化性格の面では、「恥」、「場の原理ー共同主義の主従関係」と「マザーコンプレッ クス」から論じる。女性文化の面においては性格と地位の変化に重点を置く。日本国民 性の多様性が生じる原因は次の二つの方面から考察を行う:中国大陸文化の影響;島国 根性。つまり、本論文では、『古事記』の神話に潜んでいる歴史的意義と政治価値を吟 味してから、日本国民性の多様性を理解するに神話の視角を提供したい。
キーワード: 日本;『古事記』;創世神話;国民性;多様性
目次
要旨
中文摘要
第 1 章 はじめに1
1.1 本研究の目的と意義. 1
1.2 先行研究の概観. 1
1.3 本研究の方法と構成. 1
第 2 章 神代神話3
2.1 創世. 3
2.2 神様の誕生. 3
第 3 章 国民性の多様性. 5
3.1 民族性格. 5
3.1.1 無為は有為. 5
3.1.2 善を信じること. 5
3.1.3 堅忍気性. 6
3.2 文化の性格. 7
3.2.1 恥. 7
3.2.2 場の原理ー共同する主従関係. 8
3.2.3 マザーコンプレックス. 8
3.3 女性性格と地位の変化.9
3.3.1 女性性格. 9
3.3.2 地位の変化. 9
第 4 章 多様性の原因について. 11
4.1 中国文化からの影響. 11
4.2 島国根性. 11
4.2.1 海洋への崇拝. 11
4.2.2 地理的位置. 11
第 5 章 家永三郎の解読. 13
第 6 章 おわりに15
6.1 まとめ. 15
6.2 本研究の欠点. 15
6.3 今後の展望. 15
参考文献17
謝 辞20