要旨:第二次世界大戦後、日本は近代化と産業化を進めていたので、国民の生活レベルが著しく向上してきた。西洋から伝来した民主主義や独立精神が社会の各方面に染み込んでいた。しかも、政治、経済、文化などが激しく改革を遂げ、社会も急激に変化した。同時に、社会を構成する基本的な単位としての家族も当然変貌した。規模の縮小化、核家族の増加、単身世帯の誕生などの問題が深刻になっている。これらの変化による家族問題も多く現出し、社会へ影響を及ぼしていた。核家族化による高齢者介護の問題はますます深刻になった。一方、親も受験戦争に参入し、教育の面で子供に厳しく要求している。また、プレッシャーが重い子供の中で、いじめ問題や、不登校現象などが多発している。他方、この家族の変化も少子高齢化の社会に拍車をかけた。現在、家族の問題は個々の家庭の問題ではなく、全社会の注目を集める課題になった。戦後日本家族はどのように変容したか、またその影響は何なのか、問題をどのように解決すべきか、これらについて考察することが本論文の目的である。中国も日本と同じように、離婚率の上昇や、出生率の低下、家族構造の多様化などの現実に直面している。したがって、日本の家族の研究を鑑みて、絶えずに改革している中国にも利益になるに違いない。
キーワード:日本;家族構造;核家族;家制度;少子高齢化
目次
要旨
中文摘要
第1章 はじめに-1
第2章 戦前日本の家族と日本人の家族観-3
2.1 戦前日本の家族の形態-3
2.2 変わった日本人の家族観-4
第3章 戦後家族構造の変容-7
3.1 世帯の小規模化と核家族世帯の安定推移-7
3. 2 直系家族の減少と単身世帯の増加-7
3.3 家族関係の崩壊-9
第4章 家族変容が国民生活への影響-11
4.1 高齢者介護への影響-11
4.2 教育への影響-11
4.3 少子高齢化の進展への影響-12
第5章 おわりに-15
参考文献-17
謝 辞-18