要旨:中国語で古くから伝わってきた諺の中に、「民以食为天」という言葉がある。食べることが生きる上で最も重要なことだ、という意味である。食は人の生活と密接な関係があり、人の生存を支えていて、毎日しなければならないことである。しかし、そういうことは変わりつつある。只今、食することが空腹を満たすためだけではなく、生活を楽しむ役割も果たしている。中国で食を目的に旅行する人が増えている。特に、ドキュメンタリーの『舌尖上的中国』は大人気になってから、数多くの食いしん坊に心を引かれている。しかし、中国では「フードツーリズム」への研究は少ないのである。一方、日本において、観光立国推進基本法を公布して、地域の食や食文化を観光資源とする観光振興によりまちづくりに取り組んでいる地域が全国に広がっている。本論文は、日本におけるフードツーリズムを考察し、中国のフードツーリズムを発展させる参考点を探究しようと思う。
本論文は四つの部分に分かれている。第一章は食と旅の関係を整理し、フードツーリズムの定義と重要性を説明する。第二章は日本におけるフードツーリズムの歴史を整理してまとめる。第三章はフードツーリズムを3つの型に分類し、その現状を述べる。第四章は中国のフードツーリズムへの参考点を探究する。
結論として、世界で有名な中華料理が生まれた中国ではフードツーリズムが発展するポテンシャルが高いことは明らかになった。日本のフードツーリズムへの考察によって、中国が地域ブランド化と美食都市づくりにもっと力を入れべきだということが分かった。
キーワード:フードツーリズム、美食都市、地域ブランド化、B級グルメ
目次
要旨:
中文摘要
はじめに-1
第一章 食と観光の関係性-1
1.1食と旅-1
1.2フードツーリズムとは-2
第二章 日本におけるフードツーリズムの歴史-3
2.1フードツーリズムの萌芽-3
2.2フードツーリズムの成長-4
2.3フードツーリズムの高潮-4
第三章 日本におけるフードツーリズムの現状-5
3.1旅行会社主導のフードツーリズム-5
3.2地方主導のフードツーリズム-6
3.3都市主導のフードツーリズム-7
第四章 中国におけるフードツーリズへの参考点-7
4.1地域美食のブランド化-8
4.2美食都市づくり-8
終わりに-9
参考文献-10
謝 辞-11