要旨:「性向語彙」は「対人評価語彙」とも言える人の性格や日頃の振る舞い、人柄などを評価の観点から捉えて表現する言葉のまとまりである。それは両向性の特徴があって、他人を評価する効果を果たすことができるだけではなくて、同時に行為者の自身の一種の制約ことになる。日本の有名な方言研究学者藤原与一は1962年の発表した「方言学」の中で 「性向語彙」について調査と研究を始めた。国内の学術界でこれについての研究はまだ少なくて、対照研究も殆どないと言ってよい。しかし、日常生活の中で人々に無意識のうちに使用されているからこそ初歩的な対照研究を行う必要がある。
本稿はアンケート調査および個別に尋ねる形式をとって、「語義」と「評価」によって性向語彙の分類作業を行ってみたものである。大種類は次のように3項に分けられる。一つ目は動作、行為の様態に関する語彙、二つ目は言語活動の様態に関する語彙、三つ目は精神の有り方に関する語彙である。そのうえにさらに細かく細分してみた。その分類基準はほぼ日常生活や仕事作業に使われている性向語彙を含め、はっきりした構造体系をもっているばかりでなく、マイナス評価語彙とプラス評価語彙という対立の二極を浮き彫りにしようとしている。構成はまず語彙の概念、定義と現状を紹介し、そのから調査表の分析と帰納を通じて初歩的な対照を行い、そして中日若者の性向語彙の数量、構造、積極的な評価と消極的な評価、造語法などと展開されている。本稿を通じて性向語彙に対する初歩的な認識が得られることを望んでいる。
キーワード:性向語彙;中日;対照研究
目次
中文摘要
要旨
第1章 はじめに-1
1.1 性向語彙の概念-1
1.2 先行研究と中国国内の研究現状-1
1.3 調査研究の方法-2
1.4 研究の目的-2
第2章 中日性向語彙の量的分析と比較-3
2.1 語彙を数える方法-3
2.2 語彙総量の比較-3
第3章 マイナス評価語彙とプラス評価語彙の比較-5
3.1 「きれい好きな人」と「片付けの悪い人」の比較-5
3.2 「賢い人」と「馬鹿者」の比較-6
第4章 中日性向語彙論についての比較-11
4.1 語彙の分類-11
4.2 中日の大学生の性向語彙における接尾語の比較-11
4.3 中日の大学生の性向語彙における接頭語の比較-13
第5章 おわりに-17
5.1 まとめ-17
5.2 本研究の欠点-17
5.3 今後の展望-17
参考文献-19
謝 辞-20