要旨:渡辺淳一の代表的な作品「失楽園」が日本で大きな反響を引き起こした。なぜ主人公たちは自殺を選んだのか。なぜ各自離婚して新たな家庭を築こうとしないのか。そして、そのような人物を描いた作者の渡辺淳一は一体何を表したいのか。これらは本稿が研究したい内容である。
渡辺淳一が表わしたい美意識は伝統的な家庭観念に束縛されない情愛観であると思う。本当な意気投合するのカップルは、精神的な愛が深まるにつれて肉体の愛がますます深まっていくが、肉体の愛の深化も、逆に精神的な愛が昇華されることを促すと思う。復活の死は、この感情を永遠の死に昇華させる。「失楽園」の中で表わしている失われた楽は本真生命の楽のである。中年は愛するために多くのものを諦め、これはより潔い愛のであり、負担が多くて愛情があるのはもっと純愛だと思う。
キーワード 渡辺淳一 失楽園 美意識 情愛観
目次
要旨
中文摘要
1 はじめに-1
2 渡辺淳一と「失楽園」-1
2.1 渡辺淳一と文学創作-1
2.2 「失楽園」の梗概-2
2.3 「失楽園」の情愛観の表現形式-3
3 「失楽園」から感じた美意識-4
3.1 日本人の美意識について-4
3.1.1 集団意識での婚姻制度-4
3.1.2 宗教影響でのセックス-4
3.2 「失楽園」の中で情愛の昇華-5
3.2.1 情愛の開始-5
3.2.2 情愛の究極-6
3.2.3 情愛の帰結-7
3.3 「失楽園」の中で死亡美学の表現-8
4 渡辺淳一と美意識-9
4.1 渡辺淳一の情愛観の変遷-9
4.1.1 初期:愛の純粋さ-9
4.1.2 中期:愛の複雑さ-9
4.1.3 成熟期:愛の絶対さ-9
4.2 渡辺淳一の創作特色-10
5 おわりに-11
謝辞-12
参考文献-13