要旨
一寸法師から、俳句、四畳半の茶室に至るまで、日本人は常に小さなものを求め、小さなものに凝る傾向が見られる。韓国の学者である李御寧が、その著書『「縮み」志向の日本人』において、「縮み志向」という概念を取り上げた。それは、日本人は何についても物事を拡大するより縮小することが好きだとのことである。日本人の生活を見渡せば、「縮み志向」という意識が様々な方面に浸透しているといえる。日本人の馴染み深い「衣食住」の「住」から見れば、山や河を包括して趣向を凝らす「庭」があげられる。一方、「食」から見れば、自然を集約する「弁当」があげられる。本論文では、主に庭と弁当に含まれる「縮み志向」を検討することを通して日本人の縮み文化をいっそう究明し、また、その形成した原因を分析したいと思う。
キーワード:縮み志向;庭;弁当;日本文化
目次
要旨
中文摘要
第一章 はじめに-5
1.1問題提起-5
1.2先行研究-5
1.2.1日本における研究概況-6
1.2.2中国における研究概況-6
第二章 日本人の縮み志向-7
2.1縮み志向の意味-7
2.2日常生活に溢れている縮み志向-7
第三章 庭にあらわれた縮み志向-8
3.1庭文化の生まれ-8
3.2回遊式庭園から見る縮み志向-8
3.3枯山水の庭から見る縮み志向-9
第四章 弁当にあらわれた縮み志向-10
4.1弁当の概況-10
4.2食材から見る縮み志向-10
4.3盛り付けから見る縮み志向-11
第五章 縮み志向の成因-11
5.1自然環境-11
5.1.1気候-11
5.1.2地形-12
5.2稲作文化-12
5.3日本人の美意識-13
第六章 おわりに-14
参考文献-14