要旨:『三国志』は三国時代の史官陳寿が正史による書いた歴史書である。真実のことを表れる。『三国志演義』は『三国志』の構造に基づいて創作したものである。作品は蜀を正統として、ストーリーラインを変える。人物の特徴を大げさに言う。吉川英治は正史による自分の視点で味付けされた『三国志』を創作した。吉川英治は『三国志演義』の荒唐無稽な描写に関してはその描写を排除、あるいは合理的な説明を付けている。
本稿は四つの部分からなっている。第一部分は正史を紹介する。第二、三部分は人物を通じて中日におけるの伝承と発展を探究する。第四部分は時代背景と作品の関係を探索する。日本人の集団主義を紹介する。
本稿は、おもに事例を中心に、歴史事件とストーリーラインの結びつきについて、主要人物における相違を検討する試みである。何らかの文化的原因を検討する。本稿における「中日における三国志の発展と受容」と了解されたい。『三国志演義』と吉川英治の『三国志』比較し、研究材料を整理し、人物の共通した性格以外にも相違が見出される。文学作品における人物のイメージと実際の違いは、中日の文化や社会制度の違いである。文化的背景や歴史の差異に遡って説明されると考えられる。
キーワード:正史 文学創作 日本化
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1 『三国志』について-1
1.1『三国志』の由来-1
1.2『三国志』のあらすじ-2
2 中国における『三国志』の伝承と発展-2
2.1『三国志演義』について-2
2.2『三国志演義』の主要人物-2
2.2.1普通の武将から「義絶」へ-3
2.2.2最大の悪役-3
2.2.3天才軍師-4
3 日本における『三国志』の伝承と発展-4
3.1吉川英志の『三国志』について-5
3.2吉川英志の『三国志』の主要人物-5
3.2.1博学多識な武将-5
3.2.2日本人向けに性格-5
3.2.3諸葛亮のイメージ-6
4 中日における再創作の原因-6
4.1『三国志演義』の時代背景-6
4.2日本における大衆文化の受容-7
終わりに-7
参考文献-8
謝 辞-9