要旨:首脳年頭所感は政治、経済、外交、文化などの情報を含め、いろいろな言葉に訳して世界各国に伝わる。中日関係が悪化している現在、中日首脳の年頭所感の研究によって、今後中日関係の行方を考える。本論は1995年から2016年までの中日首脳の年頭所感をテキストとして分析しているが、その中で相手に触れることは少ないから、「国際問題」に関する内容を抽出して研究している。中日年頭所感における「国際問題」の取り扱い、他国に言及する程度及び「平和外交」、「テロ」、「世界経済」のような共通内容を分析している。また、定量分析を使い、字数統計を行う。定性分析を合わせ、批評的言語分析を踏まえてテクストを分析する。研究結果として、結論が三つまとめられる。①年頭所感における「国際問題」のシェアは日本よりかなり広い。②中国首脳の年頭所感で国々の名前を挙げることは少ない。一方、日本の年頭所感ではよく国々の名前を挙げ、特に「米国」が一番多く出現している。③中日両国の首脳とも年頭所感では「平和外交」、「テロ」、「世界経済」の課題に言及しているが、日本は具体的な計画、対策、問題などを述べている。最後に、筆者の研究を通じて、中日関係の行方に啓発をもたらすことを期待している。
キーワード:年頭所感 国際問題 日中関係
目次
要旨
中文摘要
1. はじめに-1
2. 先行研究-1
2.1 批判的言語分析とは-1
2.2 日中年頭所感に関する研究-2
3. 調査概要-3
3.1 調査対象を決める理由-3
3.2 調査対象-3
4. 調査結果と考察-4
4.1 年頭所感における国際問題の扱い方-4
4.2 「国際問題」における他国への言及度-6
4.3 「国際問題」における中日共通する内容分類-8
5. おわりに-10
参考文献-11