要旨:呼称表現、すなわち呼び名は日常生活においてなくてはならない言葉としてよく使われる。話し手は話し手と聞き手の身分・地位・立場および親近・疎遠などの関係により、異なる呼称表現を使用し、自身の教養を表すだけではなく、話し手と聞き手の人間関係を維持するあるいは調和することもできる。本稿は「部下から上司への呼称表現」「上司から部下への呼称表現」「見知らぬ人への呼称表現」「親の友人あるいは親の同僚への呼称表現」「夫婦間の呼称表現」「親友間や知人間の呼称表現」の六つの方面から、中日両国における呼称表現の違いを考察し、その原因を取り上げて記述する。中日両国は同じアジア言語文化圏に属し、似ている文化背景があることから、呼称表現を正しく区別するのは、中日両国国民の考え方の異同を理解することだけではなく、日常の会話を理解することにも役に立ち、さらに日本語の学習者にとって日本文化に対する理解を深めることもできる。
キーワード:呼称表現 立場 区別 原因
目次
要旨
中文摘要
1. はじめに-1
2. 先行研究-1
3. 調査の概要及び調査の結果-3
3.1 調査の概要-3
3.1.1 調査の目的-3
3.1.2 調査の形式-3
3.1.3 調査の対象-3
3.2 調査の結果-4
3.2.1 上司から部下への呼称表現-4
3.2.2 部下から上司への呼称表現-4
3.2.3 見知らぬ人への呼称表現-5
3.2.4 親の友人あるいは親の同僚への呼称表現-6
3.2.5 夫婦間の呼称表現-7
3.2.6 親友間や知人間の呼称表現-7
4. 調査結果についての考察-8
4.1 中国語:近接化呼称の多用、日本語:上下関係の重視-8
4.2 中国語:主に距離の短縮、日本語:上下関係への配慮-9
4.3 中国語:近接化や遠隔化呼称の両用、日本語:遠隔化的な呼称-9
4.4 中国語:親族呼称への好み、日本語:敬意を表せる呼称-10
4.5 中国語:親密さのイメージ、日本語:家族での役割-10
4.6 中国語も日本語も:隔てのない呼称-11
5. おわりに-11
付録1-12
参考文献-12