要旨:日中のトイレの歴史は悠久である。昔の「川屋」と「豚トイレ」から「化粧室」まで、トイレは長い変革を経験し、トイレの機能も人々の文明意識を高めるとともに次第に拡大してきた。もともと人々が忌み避けていたトイレは、ますます多くの人の注目するところとなっている。中国のトイレの歴史とトイレについての習俗から、人々の汚れを忌み避ける心理を見ることができる。日中の人々は清潔に気を付ける習慣があることをはっきりと示す。これらと民衆の心理に根差した神の信仰は分けることができない。
本論文は日中のトイレ文化とトイレの歴史の基礎研究に基づき、日本のトイレの神様「烏枢沙摩明王」と中国のトイレの神様「紫姑」についての分析を通して、トイレの神様の信仰と宗教信仰の関係を考察する。
結論としては、日中両国におけるトイレの神様を信仰し祭る習俗及び根本的な観念は異なっていることがわかった。これは両国の宗教信仰の違いに関わることである。信仰する宗教の違いが根本原因となって、両国国民の思想と観念が異なるため、両国のトイレ文化も異なるのである。
キーワード:トイレ文化;歴史;トイレの神様;宗教観
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに-1
2.日中のトイレ文化について-1
2.1日本のトイレ文化
2.2中国のトイレ文化
2.3先行研究
3.日中のトイレの歴史-6
3.1日本のトイレの歴史
3.2中国のトイレの歴史
4.日中のトイレの神様について-9
4.1烏枢沙摩明王
4.2紫姑
4.3宗教について
4.3.1日本のトイレの神様と神道
4.3.2中国のトイレの神様と道教
5.日中のトイレ文化の同異点-13
6.おわりに-14
参考文献-15
謝 辞-16