要旨
食品安全問題は国家の経済と国民の生活に関わる大事なことである。「民は食を天と為す」という言葉から見れば、人民にとって食はとても重要なものであることをすでに理解していたようである。
最近、国民の生活水準が高まり、中国では食品安全に関する重大な事故が次々と起こっている。国民は国内で生産した食品に対して信用を失っている。一方、一衣帯水の隣国日本では、食品の安全度において世界の最前列に立っているようにも見えるが、実は日本でも重大な食品安全問題がよく起こっている。
本稿では食品安全問題に関する中日両国の現状、つまり、中日両国は2004年から2014年までの10年間に発生している食品安全事件を分析し、その原因を探求する。考察の中心は中日食品安全問題に対する両政府の対応、生産者側の意識、消費者側の意識態度である。そのアンケート結果を分析し、両国の国民の考え方を考察した。
また、アンケートを結果からその差異を明確に示しそれが異なっている状況や原因について、その原因として文化的要因と経済的要因の2点から分析を試みる。結果としては、日本の職人意識と中国の拝金主義という性格の違いが明確になった。
キーワード:食品の安全性 ; 生産者側の意識 ; 消費者側の態度 ; 職人意識 ; 拝金主義
目次
要旨
中文摘要
1.はじめに.1
2.中日の食品安全問題の現状.2
2.1中国の食品安全問題の現状
2.1.1スーダンレッド事件
2.1.2粉ミルク
2.1.3ドブ油
2.1.4マクドナルドの期限切れ鶏肉
2.2日本の食品安全問題の現状
2.2.1ユッケの集団食中毒事件
2.2.2石屋製菓賞味期限改竄
2.2.3事故米不正転売事件
2.2.4.放射性物質による食品の汚染
3. 中日の食品安全問題の違いについて8
3.1両国政府によって制定された法律の状況
3.2生産者と生産食品の目的
3.3消費者の食の安全に対する意識
4. 食品安全問題についてのアンケート調査.12
5.中日の消費者は食品安全問題への取り組みの違いの原因13
5.1文化の方面から
5.2経済の方面から
6.おわりに.16
参考文献17
謝辞