要旨:日本の有名な女流作家樋口一葉(1872-1896)は19歳から創作し、数年で、何冊も世間に賞賛された短編小説を書き出した。彼女は明治時代文壇の1粒の光り輝く星と誉められた。初期においては、『闇桜』などの作品が書き上げられたが、文体でも内容でも全部現実離れの普通な作品である。しかし、中期の代表的な作品である『雪の日』『琴の音』『やみ夜』などにおいて、情感表現を主とするロマンチシズムの風格が出てきたのである。その上、末期の作品において、想像し、作り出すプロットを捨てて、現実主義を描く方向に向かっていた。そして『にごりえ』『十三夜[ 旧暦の九月十三夜。八月十五夜の仲秋名月に対して「後の月」と言う。]』『たけくらべ』などの名作を書き出した。彼女は写実手法で、封建社会の女性が物寂しい生活と悲惨な運命を描いたのである。それらの作品の中に鋭い批判意識が潜まれている。しかし、彼女は社会の本質を深く考えないようである。彼女の作品には何だか無力感があるという感じがする。
キーワード:樋口一葉; 『十三夜』; 創作背景; 女性