要旨
『細雪』は悪魔主義作家と称された谷崎潤一郎の文学の中で滅多にない一つの清新な作品である。『細雪』は日本伝統回帰の名作で、谷崎文学で日本伝統美描写のピークだといわれる。蒔岡四人姉妹はこの物語の主役として、それぞれの美を備えると言っても過言ではない。本論文は、三つの部分にわけて、分析と対比との利用して、以上の観点に書き進めたのである。第一部分は、四人姉妹の人物像を全面的に分析する。それは艱苦な鶴子、善良な幸子、純潔な雪子、独立な妙子。第二部分は四人姉妹の性格の面、情愛と婚姻の面、運命と生活の面の視点から研究する。第三部分は現代美と伝統美との対照を述べる。それで、『細雪』において、鶴子と幸子とは完璧な伝統女性。雪子は決して完璧な伝統女性ではなく、現代女性だ、妙子は現代女性という結論に至って、さらに、現代女性が自我実現中の啓示ともなれるように希望しておる。
キーワード:『細雪』 谷崎潤一郎 女性形象 伝統美 現代美
目次
中文摘要
要旨
1.はじめに-1
1.1問題提出-1
1.2先行研究-1
1.3研究意義-2
2.『細雪』における女性像-3
2.1艱苦な鶴子-3
2.2善良な幸子-3
2.3純潔な雪子-4
2.4独立な妙子-4
3.『細雪』中の女性像の対照-7
3.1性格の面から-7
3.2情愛と婚姻の面から-7
3.3運命と生活の面から-8
4. 現代美と伝統美との対照-10
5. おわりに-12
参考文献-13