要旨
日本ではフェミニズムの台頭により、男性作家によるが文学作品の女性像の研究がはじまった。夏目漱石の『三四郎』という作品では、漱石が三四郎一人の視点を使い、話が展開していくため、女性の視点が考えられていないとして、フェミニストに猛烈に批判された。そこで、作品内の人物像を分析することにした。「言語」の面で作品の人物が使用している言葉を分析し、「文」の面で作品内部に隠された女性の声を掘り出す。これにより、夏目漱石の女性観や男女観念が明らかになる。
キーワード:ジェンダー 女性嫌悪 女性創作 言文一致 三四郎
目次
要旨
中文摘要
1、はじめに-1
2、『三四郎』における女性像-2
2.1新しい女――美禰子-2
2.2女性嫌悪の原因について-3
3、男性言葉と女性言葉-5
3.1「謎」のような美禰子の行動と言葉-5
3.2三四郎が追求する「言文一致」-6
4、女性創作-9
4.1男性による「女性創作」の発見-9
4.2女性による「女性創作」の発見-9
5、夏目漱石の女性観-11
6、おわりに-12
参考文献-13