要旨:周知のとおり、日本人は強い帰属意識を持っている。仲間はずれにされることを恐れる。だから、強く自分を主張することよりも、集団に同調することを重視する。常に、自分がいるところを「うち」と呼ばれる。例えば、自己紹介の時に、「うちの会社」、「うちの学校」と言う。これは集団主義の顕著な特徴のひとつである。集団主義はたくさんの作品の中に現れる。例えば大正時代における優れた作家芥川龍之介の『鼻』である。
『鼻』では、禅智内供の鼻といえば、池の尾で知らない者はいない。長さは五六寸あり上唇の上から顎の下まで下っている。鼻の長さの変化についての詳しい描写を通して、集団に溶け込むことはできないのが表現される。また、主人公の強い集団意識が深く表れる。同時に、弟子と町の者の態度を通して、内供のようなやつを受け入れるのだけでなく、無情に皮肉を言い、内供の自尊心を傷けつける。これは傍観者たちの集団主義と利己主義という人間性である。
本文は三つの部分からなっている。まずは『鼻』のあらすじと作者について紹介する。次は主人公と傍観者の立場から、人物の集団意識を深く分析する。最後、小説の人物に対して集団主義の大きな影響を詳しく研究する。研究を通して、日本人の生活や文化に集団主義の影響を飲み込み、日本文化をいっそう理解したいと思う。
キーワート:芥川竜之介 『鼻』 集団主義
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1『鼻』の紹介-1
1.1作者の紹介-1
1.2『鼻』のあらすじ-2
2小説の人物から見る集団主義-2
2.1禅智内供から見る集団主義-2
2.2池尾の者から見る集団主義-4
3集団主義の影響について-5
3.1日本人に与える影響-5
3.2日本社会に与える影響-5
おわりに-6
参考文献-7
謝 辞-8