要旨:夏目漱石は日本の近代文学史において崇高な地位を占めて、日本の「国民的な大作家」であると誉められる。『こころ』は夏目漱石の作品の中で非常に重要な地位を占めて、十分にその「個人主義」の思想を体現した。筆者は『こころ』への分析を通して、夏目漱石の個人主義を探求していきたいと考える。主に以下の三つの点から論述を展開する。
まず、夏目漱石の生い立ちを考察して、その成長経歴と教育背景がその個人主義の形成に大きい影響があると思っている。彼は小さい時から東方の伝統教育を受けて、留学で西方の独立、自由を求める近代の思想を学んだ。この二つの思想の対立は、直接に個人主義の発生を促す。
次に、それぞれ『こころ』に「先生」、「K」、「大家の奥さん」、「私」の四人の主な人物の行為、心理を分析するによって、本の中で人物が表現している個人主義を探究する。
それから、各方面から個人主義が生じた原因を分析する。客観的な視点から見ると、西洋文明は近代の日本に物資の豊富をもたらして、個人の自由と独立を勝ち取った。しかし、その副作用は人の心が極端なエゴイズムに転換すると思われる。主観的な視点から見ると、これは作者の人生経験と当時の体の状況も大きな関係がある。
それによって、夏目漱石が主張する個人主義は無条件ではなくて、道義的な個人主義である。自我を発展する同時に他人の存在を意識しなければならない。公正に自分と他人の関係を処理せねばならなくて、必ず人格、義務、責任などの社会の観念で自分を制約せねばならない。利己的な心を克服して、積極的意義上の個人主義を確立する。それは現代の個人生活中の実際的な疑惑を解決し、調和の取れた社会の発展を推進するのに役立つ。
キーワード:夏目漱石 こころ 個人主義 道義
目次
要旨
中文摘要
はじめに1
1.作者の紹介1
1.1夏目漱石の一生1
1.2漱石文学の風格2
2.個人主義と『こころ』2
2.1個人主義の内容3
2.2『こころ』のあらすじ3
2.3『こころ』の創作背景4
2.4『こころ』に個人主義の具体的な表現4
2.4.1「私」の表現4
2.4.2「先生」の表現4
2.4.3「K」の表現 5
2.4.4「奥さん」の表現5
3.個人主義の起因と意義6
3.1客観的な原因6
3.2主観的な原因6
3.3個人主義の現実的な意義7
おわりに7
参考文献9
謝辞10