要旨:舞踏会は、西方における社交ダンスでありながら、一種の社交ツールである。舞踏会に参加する人々は華やかな衣装を着て、きれいな音楽に従って、優美なステップを踏み出す。日本明治維新を背景にして、鹿鳴館で開催される舞踏会の勢いが非常に盛んいた。明治維新から1886年まで、日本における西洋化風潮が最高潮に達し、日本の上流貴族が盲目的に西欧文明を崇拝するようになった。当時、日本の貴族はみんな舞踏会に出席することを一種の光栄と見なしていた。芥川龍之介は1919年12月に短編小説の『舞踏会』を創作した。この小説で現れた舞踏会は、明治維新を背景にした鹿鳴館の舞踏会を指す。この舞踏会は当時の舞踏会が並ぶものがないほど豪華であったし、参加者もぜんぶ名門貴族であった。
本論文は明治時期の社会に関する研究資料及び、作者が小説の中で描いた明治維新後のいくつかの社会現象を基礎にして、当時の政局や歴史の背景をある程度に理解した後、文章に対して深く分析しようとする。具体的に言えば、小説『舞踏会』の背景、登場人物(明子、仏蘭西の海軍将校、H老夫人、青年の小説家など)、舞踏会のシーンの描写、花火などの面から作者が小説の中で表現しようとする明治維新後の日本社会に対する皮肉な感情を論じ、舞踏会の美しいうわべの下に潜む多重批判を掘り起こし、芥川の風刺創作手法を深く理解したいと思われる。また、新しい視点から作者が明治維新後の日本上流社会の貴族と明治政府への評価を分析するのは、ある程度で明治維新が日本に与えた影響を覗くことができると考えられる。
キーワード:舞踏会 芥川龍之介 風刺 文明開化 創作特色
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1作者と『舞踏会』の概説-1
1.1 芥川龍之介の概説-1
1.2 『舞踏会』の概要-2
1.3『舞踏会』の歴史的背景-3
2登場人物についての分析-3
2.1明子及びH老夫人-3
2.1.1明子-3
2.1.2 H老夫人-4
2.2フランス将校のピエール・ロティ-4
2.3靑年の小説家-5
3物事についての分析-5
3.1舞踏会のシーンに関する描写-5
3.1.1菊-5
3.1.2舞踏会に参加する男女-6
3.1.3食卓-6
3.2あっという間に消えた花火-6
3.3『菊子夫人』という本-6
おわりに-7
参考文献-8
謝 辞-9