要旨:文学は時代と社会の簡単な写し映えではない。文学に批判的な視点があるゆえに、社会は進歩する。批判的な精神を持つことは、一人前の作家にとっての基本的なことで、推奨すべきことだ。社会の発展は段取りを踏んで、ゆっくりと進んでいくものだ、この時の社会の風紀は激しく乱れる。作家が社会に対する批判も著しくなる。魯迅と夏目漱石の一生はその二つの時期を跨った。故に、彼らの批判精神もことさら苛烈だった。本文は社会の批判精神の視点から、魯迅と夏目漱石の比較研究を進めていく。
本文の序論部分は国内外の魯迅と夏目漱石の研究の現状を紹介したものだ。更に社会批判精神を定義付けて、文学的な社会批判精神を闡明して、魯迅と夏目漱石に関しての社会批判精神の論述の基礎を固める。第一章は魯迅の社会批判精神を闡明した。第二章は夏目漱石の社会批判精神を闡明した。第三章は両名の批判精神の共性について語る。第四章は作家両名の社会批判精神の違いを比較研究する。第五章は魯迅と夏目漱石の作品の批判性が今の中国の文学に対する影響を分析する。
キーワード:魯迅 夏目漱石 社会批判精神 人性
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1 魯迅の作中の社会批判精神-2
1.1 封建社会制度への批判-2
1.2 封建社会の礼法の批判-2
1.3 インテリへの批判-3
2 夏目漱石の作中の社会批判精神-3
2.1 日本式の資本主義現代化への批判-3
2.2 資本主義社会下の教育界と国民性への批判-4
3 社会批判精神の共通性-4
3.1 社会批判精神の源-4
3.2 人性の解読と批判-5
4 社会批判精神の違い-6
4.1「多破寡立」と「破而乏立」-6
4.2 積極的な孤独と消極的な孤独-6
5 当代の中国の文壇への意味-7
終わりに-7
参考文献:-9
謝 辞-10