要旨
社会の高齢化は人類の歴史で前例のない、社会の主要な課題である。現時点では、中国は、高齢者人口は、世界で最も成長が著しい国の一つで、日本は、1970 年の初めに、高齢化社会に入った。その年、日本の人口は 739 万人 で7.1 % の人口は65 歳以上に達した。日本の高齢者人口は、世界でも最高である。
高齢化の進展等による財政負担の増加に対応するため、これまで被保険者の年齢や窓口負担等の引き上げ等を行うなど制度改正を行ってきたが、高齢者医療費がなおも増え続ける状況にあって、財政負担を抑制することがこの制度創設の主目的だとされている。ただし政府は「財政的な配慮が先行しているのではなく、後期高齢者の健康状態、ケアのあり方が前提である」としている。介護保険は社会の高齢化に対応し、2000年4月1日から施行された日本の社会保険制度である。財源は、被保険者の納付する保険料だけでなく、国・都道府県・市町村による負担があるという特徴を持つ。
本稿は、高齢化問題が拡大しつつある都市と農村間の格差に着目し、農村部医療制度改革における問題点を明らかにする。また、中国の衛生医療事業への財政支出及び医療サービスの利用状況を考察し、日本の社会保障制度の整備経験からの示唆や農村全体の振興について展望してみたい。
キーワード:高齢化;医療保険制度;介護保険制度
目次
要旨
中文摘要
1 中日高齢化の現状 1
1.1中国での高齢化の現状
1.2日本での高齢化の現状
2医療保険制度への影響.2
2.1医療費の上昇
2.2医療保険基金に大きな衝撃
3日本の高齢者への医療保険対策.3
3.1高齢者への医療制度
3.2介護保険制度の導入
4中国の高齢者への医療保険対策.4
4.1都市部の医療制度
4.2農村協同医療制度
5今後の展望.5
参考文献.6
謝辞