要旨
敬語は敬意表現であり、日本語の中に重要な位置につけられている。日本人は、使用言語の中に、敬語を用いて、さまざまな方法で人間関係の調整を行いながら社会生活を営んでいる。言語学者柴田武によって、敬語は距離の表現だといえる。二人の間の距離次第で、時には、同じ二人の間でのその時の「距離感」次第で、敬語を使わなかったり使ったり、ということがあるわけだ。外国人にとって、日本人とのコミュニケ―ションを円滑に進めるために、適当な「距離感」を把握するのが不可欠だ。
本稿では、「距離感」を中心に、「距離感」にかかわる諸ファクターを具体的に分析し、どんな時に何階段の敬語を使ったほうがいいかを考えた上、敬語に反映されている日本民族の礼を述べる。
キーワード:敬語;「距離感」;人間関係;礼
目次
謝辞
要旨
摘要
1 はじめに-1
1.1 先行研究-1
1.2 研究の動機及び目的-2
2 敬語の定義と種類-3
2.1 敬語の定義-3
2.2 敬語の種類-3
3 「距離感」にかかわる諸ファクターと敬語の使用-5
3.1 社会的ファクター-5
3.2 心理的ファクター-7
4 「距離感」の年代差と個人差-8
4.1 「距離感」の年代差-8
4.2 「距離感」の個人差と寛容さの必要性-8
5 「距離感」に見られる礼-10
6 終わりに-11
参考文献-12