要旨
夏目漱石は森鴎外と並ぶ日本文壇における大文豪である。日本文学史において、夏目漱石の作品は社会への文明批判と近代知識人の思想、愛情、生活などについて緻密な描写によってよく知られている。彼はそれぞれ違う知識人像を描き出し、日本文学における近代知識人を題材とした新たな領域を切り開いた。『こころ』はその代表的な一冊である。
明治時代は日本の歴史における重要な転換期である。和洋文化の衝突と融合の中で当時の人々特に知識人はそれぞれの不安、葛藤や孤独が表れていた。小論はテクストを基づいて、『こころ』における人物形象や時代背景などの分析を通じて、東西文明の影のもとに、明治時代という時代が持つ矛盾性は登場人物を代表とする知識人とどんな関わりがあるのかについて、未熟ながらも自分の見解を述べてみようと思う。
キーワード:明治時代 知識人 夏目漱石
目次
摘要
要旨
はじめに-1
1 『こころ』について-2
1.1 創作背景-2
1.2 主な内容-3
2 明治時代の矛盾性-3
2. 1 文明開化及び西洋文明との衝突-3
2.2 伝統文化による国粋主義-4
2.3 明治期の思潮と知識人-4
3 『こころ』における人物像-5
3.1 「先生」の葛藤-5
3.2 Kの葛藤-7
3.3 「私」と「先生」-8
4 夏目漱石と『こころ』-10
4.1 夏目漱石の個人経験-10
4.2 登場人物から見る夏目漱石-10
終わりに-11
参考文献-13
謝辞-15