要旨
「今年の漢字」は日本漢字能力検定協会が設立し、一字を選び、その年の世相と民意を表すキャンペーンである。1995年に開始、毎年12月に発表し、設立されて以来、年々注目を浴びている。
10年(2007~2016)来の漢字を見れば、日本人の焦点は「変化」と「不変」ということが分かった。食品品質から政府選挙まで、体育競技から気候変化、感情義理、税率経済等まで様々な領域のことにも関心を払っていると焦点の「変化」ははっきりしている。一方、候補漢字も含めてみれば、「金」、「輪」、「嘘」等をはじめとする漢字はこの10年間繰り返す姿を見せている。それは焦点の「不変」である。焦点の「変化」と「不変」はこころの「変化」と「不変」であり、認識は客観的実在の意識への反映である。つまり、10年間の「今年の漢字」および候補漢字を研究すれば、日本人のこの10年間のこころの活動がわかるはずである。
本研究は縦線、横線比較の方法を通し、日本の「今年の漢字」をまとめ、その中に存在する文字の「変化」と「不変」の現象を通し、日本人のこころの「変化」と「不変」を分析し、そしてその理由を考察することが窺える。
キーワード:今年の漢字 日本人 こころ
目次
摘要
要旨
はじめに-1
1 「今年の漢字」の分析-3
1.1 縦線比較:2007~2016年の「今年の漢字」-3
1.2 横線比較:2007~2016年のトップ5位の漢字-5
1.3 10年間に繰り返し現れる漢字-6
2 「今年の漢字」とこころ-7
2.1 こころの定義-7
2.2 「今年の漢字」から日本人のこころを見る-7
3 こころが生じる理由-8
3.1 政治-8
3.2 経済-9
3.3 社会-9
3.4 文化-10
3.5 国際-11
おわりに-12
付録1-14
付録2-17
参考文献-18
謝辞-19