要 旨
本研究では、先行研究を踏みながら原因を表す接続助詞「から」と「ので」の違いを日本のドラマのセリフに基づいて考察した。その結果、以下の知見が得られた。
1.敬体で、「から」より「ので」を多用する傾向がみられる。
2.使用対象においては、非親密関係対象には「から」より「ので」を多用するとみられる。親密関係対象には「から」が多用される傾向が見られる。
3.男女の使い分けという点においては、女性が男性より「ので」を多用する傾向がみられる。男性は女性より「から」を多用する傾向がある。
4.先行研究では、「未来や命令の意味を含む文が次に来るときには「から」は使うが「ので」は使えない」、「「推量(想像・推測)、意志(意向・決心)の意味を含む文が次に来る時には「から」を使うが、「ので」は使わない」などとある。今回の調査では「「ので」+意志」という例文は発見しなかったが、「「ので」+意志・命令形」といった形の例文が発見した。
結論としては、原因・理由を表す接続助詞「ので」は「から」よりも丁寧ということが明らかになった。
キーワード: 原因・理由 から ので 比較 丁寧さ
目 次
要 旨
中文摘要
第一章 序章-(1)
1.1 目的-(1)
1.2 先行研究-(2)
1.3 研究方法-(2)
第二章 「から」と「ので」の差異-(5)
2. 1 敬体及び常体での使用差異-(5)
2.2 対象別への使用差異-(9)
2.2.1 家族・友達-(9)
2.2.2 上司・部下-(10)
2.2.3 お客さん-(12)
2.4 男女の差-(13)
2.5 「から」と「ので」の後件の差異-(16)
2.5.1 「から」、「ので」+意志-(16)
2.5.2 「から」、「ので」+推量-(17)
2.5.3 「から」、「ので」+命令形-(17)
第三章 終章-(20)
3.1 まとめ-(20)
3.2 今後の課題-(20)
参考文献-(21)
文献概要-(22)
謝辞-(24)