要 旨
本研究は、松尾芭蕉の俳句を分析し、その俳句に含まる文学意識と、芭蕉の思想を探求する為に、「古池や蛙飛び込む水の音」と「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の二句を主な対象として、芭蕉の俳句と禅宗の関係を探求することを目的とする。まず、芭蕉本人の文学意識に基づき、俳句二句を分析することによって、その文学意識を考察した。次に、芭蕉の受容した思想に基づいて、禅宗意識の形成の原因を探求した。最後に、芭蕉の美意識について、「自然観」、「風雅の誠」、「わび」、「さび」という四つの面から彼の作品を論評した。
キーワード:松尾芭蕉 俳句 禅 美意識
目 次
要 旨
中文摘要
はじめに-(1)
第一章 芭蕉の文学意識と禅-(2)
1.1 芭蕉の主な文学意識-(2)
1.2「禅」の内包-(3)
第二章 芭蕉の実作から見る禅味-(4)
2.1「古池や蛙飛び込む水の音」-(4)
2.2「閑さや岩にしみ入る蝉の声」-(5)
第三章 芭蕉の禅宗思想の形成-(7)
3.1 人生を旅とする生き方-(7)
3.2 自然から受けた影響-(8)
3.3 仏教と漢詩の受容-(9)
第四章 芭蕉の美意識と禅宗思想-(11)
4.1 芭蕉の自然観-(11)
4.2 無常観-(12)
4.3「さび、わび」と禅宗-(13)
おわりに-(14)
参考文献-(15)
文献概述-(16)
謝辞-(18)