要 旨
授受動詞の運用は、日本語の複雑性を十分に示す文法の一つである。今まで、学習者達が授受動詞の使用について、大量の研究をし、様々な視点から分析してきた。しかし、実際の交流において、授受動詞の誤用が、次々と現れた。本論文では、日本人が普段よく使用する基本的な授受動詞の使い方を論じたうえに、日本人の恩恵意識について詳しく述べた。また、その両者の関連性を分析し、その結果を通して、日本人の恩恵意識を理解するということが、授受動詞の正しい運用方法に繋がることを明らかにした。そして、授受動詞の裏側に隠れている日本人の心理文化を学ぶことで、より良く授受動詞の使い方を理解し、日本の心理文化である恩恵意識を身に付けるようになることが本論文での目的である。最後に、恩恵意識と授受動詞の関係に基づいて、授受動詞の例文を挙げて、授受動詞を使用する際の注意点を説明し、恩恵意識と授受動詞の関連性について把握する必要があることを更に強調した。
キーワード:授受動詞 補助動詞 恩恵意識 授受関係 尊敬 心理
目 次
要 旨
中文摘要
はじめに (1)
第一章 研究の動機と先行研究 (3)
1.1 研究の動機 (3)
1.2 先行研究 (3)
第二章 日本語の授受動詞 (5)
2.1 授受動詞について (5)
2.2 物の授受関係 (6)
2.3 行為の授受関係 (7)
第三章 授受動詞に見られる恩恵意識 (10)
3.1 恩恵意識とは (10)
3.2 授受本動詞の恩恵性 (11)
3.3 授受補助動詞の恩恵性 (12)
第四章 恩恵意識と授受動詞 (15)
4.1 恩恵表現の話し手の立場 (15)
4.2 恩恵の方向性の選択 (16)
4.3 相手の尊敬への重視 (17)
4.4 恩恵の積極的な明示 (17)
おわりに (19)
参考文献 (21)
文献概要 (22)
謝辞 (24)