要旨
本文は、まず、新美南吉の生涯を紹介して、南吉は戦争時代の作家を説明する。また、南吉の主な戦争に関する作品を列挙し、作品のあらすじをそれぞれに紹介する。それに、本文は主に「ごんごろ鐘」と「張紅倫」をめぐって、南吉の戦争観を分析する。まず、ごんごろ鐘と張紅倫のあらすじと背景と作品における戦争観を分析して、そして、戦時体制と戦後の平和主義の原因で、二つの作品の改作を見て、南吉作品にとっての影響を分析する。
大正二年(一九一三)七月三十日、新美南吉が生まれた。南吉の母は大正六年、二十九歳の短い生涯を閉じた。母の死は、彼の心に深い傷痕を残している。南吉の一生は、大正二年(一九一三)から、昭和十八年(一九四三)まで、全て戦争の影で暮らしたことである。戦争は南吉の人生にも作品にも大きな影響を与える。南吉作品における戦争を反映した描写は、全作品の中で、主に8作品になる。「張紅倫」と「ごんごろ鐘」は二つの時期の戦争に関する作品である。「張紅倫」は日露戦争の時発生したことである。古井戸に落ちた「青木少佐」が、心優しい中国人親子「張魚凱」と「張紅倫」に助けられ、戦争が終わり内地で再会する話。「ごんごろ鐘」は戦争の金属供出により、村のお寺の鐘を供出することに村人達は別れを惜しんでいる物語である。二つの作品は南吉がその時期なりの戦争への態度と考えをそれぞれに表した。
最後、二つの作品の改作を分析して、結論を出した。
キーワード:新美南吉 戦争 改作 作品分析
目次
中文摘要
要旨
1.はじめに-1
1.1先行研究-1
2.新美南吉と戦争-3
2.1新美南吉の生涯-3
2.1.1母の死-3
2.1.2 戦争の影-3
2.2 戦争に関する作品-4
2.2.1戦争に関する作品の列挙-4
3.「張紅倫」と「ごんごろ鐘」の内容-6
3.1 「張紅倫」-6
3.1.1 あらすじ-6
3.1.2 背景-7
3.1.3 「張紅倫」における南吉の戦争観-7
3.2「ごんごろ鐘」-8
3.2.1 あらすじ-8
3.2.2 背景-8
3.2.3「ごんごろ鐘」における南吉の戦争観-9
4.戦後の改作-10
4.1 南吉と巽聖歌-10
4.1.1南吉の死-10
4.1.2 巽聖歌-10
4.2「張紅倫」の改作-11
4.2.1 改作部分の比較-11
4.3「ごんごろ鐘」の改作-11
4.3.1改作部分の比較-11
5.おわりに-13
参考文献-14