要旨
中国は世界第一の加工工場になるとともに、「メイドインチャイナ」という流行語も流行るようになってきった。しかし、現状から見ると、この「メイドインチャイナ」は時々マイナスのイメージを持つこともある。
過去に一度世界で「中国学派」と称賛された中国のアニメーションは市場化の時代に入ってから、だんだん自分なりの発展方向を見失うようになってしまった。一方、テレビアニメを始め、どんどん産業化した日本のアニメーションはコストを下げるために、中国などの国に海外アウトソーシングを始める。
アウトソーシングとは、ほとんど技術のない動画と仕上げなどの仕事を加工国に依頼することである。加工国にも技術と管理経験を与えると言われるが、現状から見ると、そうではない。少し大げさかもしれないが、これは新しいアニメーションの植民地活動だと思う。
これまで、アニメ産業についての研究はたくさんあるが、多くの人はアウトソーシングが持って来るメリットだけに注目している。しかし、アニメ産業は経済利潤を追求するとともに、芸術文化の重要な部分として継承と創り続けていくべきだと思われる。
この論文では、上海美術電影制片厂とスタジオジブリの実例を挙げ、アウトソーシングが繁盛する今、アニメーションが芸術と利潤がウィン・ウィンで実現するのは、なぜそんなに難しいのか、アニメーションの民族化とグローバリズムはどのように両立させるのかについて考察する。
キーワード:メイドインチャイナ;中日アニメーション;アニメ産業;アウトソーシング
目次
要旨
中文摘要
1. はじめに.1
1.1 メイドインチャイナについて
1.2 研究の目的と意義
2. 先行研究と問題提起.2
2.1 先行研究
2.2 問題提起
3. 研究方法と資料収集.3
3.1 資料収集
3.2 研究方法
4. メイドインチャイナの背景.3
4.1 アニメーションとアニメ産業の概念と特徴
4.1.1 アニメーションの概念と特徴
4.1.2 アニメ産業の概念と特徴
5. 中日におけるアニメ産業化の発展過程.5
5.1 中国におけるアニメ産業化の発展
5.2 日本におけるアニメ産業化の発展
6. メイドインチャイナの現状分析.7
6.1 日本における海外アウトソーシングの発展
6.1.1 海外アウトソーシングの定義とそれを生み出す原因
6.1.2 アウトソーシングにおける日本のアニメ産業の現状
6.2 中国におけるサービスアウトソーシングの発展
6.2.1 アニメーションの加工からサービスアウトソーシングへの発展
6.2.2 アウトソーシングにおける中国のアニメ産業の現状
7. メイドインチャイナにおける中日アニメーションについての思考(上海美術電影制片厂とスタジオジブリ発展の実例から).10
7.1 アニメーションと産業の「主役論」
7.2 産業化における商業と芸術の「二元論」
7.3 アニメーションの民族化とグローバリズム
8. おわりに15
参考文献.18
謝辞