要旨:
本稿では、伝統と民族性に着目して、鮨職人の小野二朗と家具製作会社秋山木工を例にして、日本人の「師匠」精神を 考察してみた。日本製と言えば、精密で信頼できる物だというイメージが強い。その背後には職人精神の功を無視してはいけない。江戸時代に、城下町で町人のうちに手工業者が和一つの階層として成長した。彼らは、日本文化の土壌に根を下ろし,繊細な感覚と自然への畏敬をもって、自分の製品に極を求めてきた。伝統的なモノづくりの精神を広げ、昔からの職業を伝承するため、日本政府は、その伝承者を「人間国宝」と認定する。このように、日本では「師匠」を重んじる社会風潮があるはずである。師匠精神とは、粋への追及、まじめな態度、石の上にも三年といった忍耐力、自然への繊細な感覚と畏敬などが考えられると思う。そして、技術の腕を磨き、独特なものを創出するには、職人精神の欠如では到底できない。わが国にも、日本のような師匠精神を唱える必要がある。
キーワード:極;粋;まじめ;人間国宝;職人精神
目次
摘要
要旨
はじめに-1
1日本の師匠文化-2
1.1「匠」文化の概念-2
1.2「師匠」文化の起源-2
1.3「師匠」文化の発達-3
2 民族性から「師匠」文化の考察-4
2.1 粋への追求-4
2.2自然への畏敬-4
2.3熱心・忍耐・真面目-5
3 師匠精神の伝承と創出-7
3.1政府の保護政策-7
3.2師匠精神尊敬の社会風潮-7
3.3師匠精神教育-8
4 我が国が日本に学ぶべきもの-9
4.1職人精神の高揚-9
4.2利益より品質を-9
4.3未来への展望-10
終わりに-11
参考文献-12
謝 辞-13