要旨:近年、日本は年間自殺率で世界1位である。一つの重要の原因は人々の孤独感によりストレスを発散するところがないからである。島国に生まれた日本人の孤独感は現実の社会問題ではなくて、文学作品の中でもよく描かれるものである。それは島国環境、仏教の信仰、文化風土などの要因から出るかもしれない。井伏鱒二文学の中でもよくこの孤独感を現れ、「感傷文学」までと呼ばれている。
井伏鱒二は日本の近代文学史上で有名な作家である。作者は昭和初期に文壇にデビューし、第2次世界大戦を経験した上で、一貫としてユーモアと感傷的な文学スタイルは昭和時代を貫いてきた。初めは、新興芸術派のメンバーとして西洋のモダン文学の影響を受け、700篇の数多い作品を発表した。それで、日本文壇上の常緑樹と称されている。戦前及び戦後、井伏鱒二の多くの作品は、日常生活から取材し、善良な労働者を主人公として登場した。作者は社会階級の底に生きている人々の不幸や悲しみなどに同情を寄せながら、彼らの生活の苦難と戦いながら不屈な生活志向を描いた。それと同時に濃い田舎気質と濃厚な生活雰囲気を表れ、ユーモラスな特徴を満ちっている。それこそ井伏文学の独特な芸術スタイルである。
本論文は『山椒魚』を中心に、井伏の初期作品における孤独感や後期の創作風格の転換まで分析し、その理由、社会的要因、作者の主旨などを究明してきた。さらに、今度の研究課題として井伏文学の孤独感を深めていきたいと考えている。
キーワード:井伏鱒二、孤独感、山椒魚
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1.井伏鱒二についての先行研究-2
2.孤独感を表現した『山椒魚』-3
3.井伏鱒二の孤独文学-4
3.1『山椒魚』から『屋根の上のサワン』までの変化-4
3.2童話と現実社会における人間の孤独感-5
4.「空想」から「現実」までの文学-6
4.1『山椒魚』と『黒い雨』の創作スタイルの相違-6
4.2感傷文学から戦後文学までの飛躍の原因-7
終わり-8
参考文献:-9
謝 辞-10