要旨:『キッチン』は日本現代女性作家吉本ばななの代表作である。小説の中で、吉本ばななは伝統的な家庭解体の過程を描き、非血縁家庭の誕生を描いていた。それは「異類家庭」と称されている。
『キッチン』の中で、主人公「美影」は孤児になってから、雄一と恵理子と一緒に生活し、三人は伝統的な血縁家庭と違って異類家庭を構成した。中には、家庭の暖かさを代表する台所は美影が田辺家に住み込んだことの重要な原因として存在するし、それに、三人は肉親を失った共有する経験から、お互いに理解し合うまでのシンボルである。これこそ異類家庭が成立した重要な原因だった。
作者は各角度から、異類家庭の存在を合理化にさせ、読者に受け入れやすいように、まず恵理子の人物像を作り上げた。最初は雄司だった恵理子は雄一のお父さんとして登場し、そして、妻が亡くなってから、性転換して女性になった恵理子は雄一のお母さんと生まれ変わり、この異類家庭を構成した。しかし、その家庭には父という役はない。それゆえに、親の威厳が少ない、家族は皆平等並びに友人のように付き合っていた。それで、家庭の中に普通ならぬ自由と個人の空間を創造した。また、作者は主要登場人物の性別を曖昧に描き、男女の性別の差を縮め、中性的な人物像を築いた。作品の中に、雄一が女性美を持つ美男子として登場し、それと対照的に、美影は勇敢で果断な性格を持つ男性みたいな女性だった。
以上の側面から血縁より更に感情を重視するし、変性の流行っている元素を伝統家庭の骨組みに混ぜて、異類家庭を創造した。人気な作品として世に受け入れられ、読者に新しい家庭の存在意義を反省させ、今後、中国でもこのような作品を出てくるだろうと思う。
キーワード:異類家庭 キッチン 非血縁
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1.『キッチン』における異類家庭観-1
1.1異類家庭観に関する先行研究-1
1.2『キッチン』における人物像-2
1.2.1キッチンにおぼれる「美影」-2
1.2.2感情的な美男子「雄一」-3
1.2.3愛する妻に性転換した「恵理子」-3
1.3「異類家庭」における家族-3
2. 吉本ばななと『キッチン』の主人公との繫り-4
2.1作者と「美影、雄一、恵理子」-4
2.2主人公三人それぞれの曖昧な性格-5
2.3「美影、雄一、恵理子」間における人間関係-5
3. 吉本ばななの異類家庭観-6
3.1吉本ばなな作品における異類家庭観-6
3.2『ジェシーの背骨』の伝統母性と「キッチン」単純性-7
おわりに-8
参考文献-9
謝 辞-10