要旨:気温が異常に起伏し、スモッグが日増しに深刻になっている目下、人間と自然についての話題は絶えずに表面に出られ、議論されている。40年前、同じ環境問題を抱えた日本には『寄生獣』という作品は世に送られた。残虐な描写を特徴とする漫画家岩明均は、哲学的かつドラマティックな展開を両立させながら理性的に謎めいた寄生獣を作り上げた。彼らはある夜中に地球に奇襲し、人類の命を脅かしたことを、寄生獣と共生する平凡な高校生・新一の一連の事件を通じて表れた。その作品は人間とほかの生物の絆を描き、命の平等と大切さから生まれた自然観を取り上げ、日本人の自然への畏敬を反映した。
作品は人間自身と「寄生獣」という第三者の立場から人類そのものの生きがい、生物とのつながりと共存をもとめながら、さらに大自然との調和を呼びかけた。本論は人類を自然破壊の最大の敵とする寄生獣「ミギ」から始め、人間に虐められながら共存したい「玲子」二つの人物から、人類が他の生き物の存在を尊重すべきことから日本人の自然観を分析し、世の中の生物と共存できる法則を求め、自然と平和に結び付き、人間がすべての生物と共存すべき自然観に辿り着いた。
この40年間、日本では『寄生獣』から表れた環境問題が共感を呼んでいるし、研究も進んでいる。しかし、中国ではいまだそれに関する研究はなかった。本研究は不十分ではあるが、今後の『寄生獣』に関する研究にささやかな参考になりたい。引き続きそれに関する研究を続きたいと思う。
キーワード:寄生獣 自然観 人と動物 人と環境 廃棄物の排出
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1-日本人の自然観についての先行研究-1
2-地球を救うために生まれた『寄生獣』-2
3-「寄生獣」から表れた自然観-3
3.1 人類を自然破壊の最大の敵とする「ミギ」-3
3.2 人間に虐められながら共存したい「玲子」-4
4-作品における人間から表れた自然観-6
4.1 寄生獣と戦う「新一」の新発見――ごみの「新武器」-6
4.2 寄生獣を救世主とする政治家「広川」の自然保全意識-8
5-命の平等と大切さから生まれた自然と共存する自然観-10
終りに-11
参考文献-12
謝辞-13