要旨:谷崎潤一郎は日本耽美派の旗手として、その何十年も渡る作家生涯の中莫大な作品群を残し、体裁は小説、戯曲から、シナリオに渡及ぶという多種多様であった。その作家生涯の長さと強烈な創作欲によって、数え切れない作品の取材から明らかに読み取れるのはモチーフとテーマの変化の流れである。その為、谷崎の一生を幾つかの段階に分けることができる。一方、悪魔主義、女性崇拝、母性思慕などの特質は谷崎研究において肝要なモチーフである。
小論は明治から大正に至る初期の谷崎潤一郎作品の中の男性像と女性像を巡ってテキスト分析を試みることにする。「刺青」、「秘密」、「母を恋ふる記」と「二人の稚児」を用いて、初期谷崎作品における女性、母性とその中の谷崎自身の位置に関する考察を行う。
キーワード:谷崎潤一郎 文学 女性 関係性 他者
中文摘要:谷崎润一郎作为日本耽美派的旗手,在其长达数十年的作家生涯中留下了庞大的作品群,创作范围包含小说,戏曲,剧本等多种体裁。由于其作家生涯的时间长久及其强烈的创作欲望,在其无数作品的多样的题材中,可以看到明显的创作动机与主题的变化倾向,由此我们将谷崎润一郎的生涯区分为几个阶段。同时,恶魔主义,女性崇拜,母性思慕等主题是谷崎研究的重点。
本论文将围绕19世纪10年代至30年代的初期润一郎作品的男性形象与女性形象进行文本解读与分析。具体文本采用《文身》、《秘密》、《异端者的悲哀》、《恋母记》与《两个稚子》四个作品,以分析解明初期谷崎作品中的女性、母性及其中谷崎润一郎自己的位置。
关键词:谷崎润一郎 文学 女性 关系性 他者
目 次
要 旨
中文摘要
はじめに-1
1 初期作品中の女性と男性-1
1.1 「刺青」における悪の授与-1
1.2 「秘密」における征服関係-5
1.3 偽りの女性崇拝と客体化された女性-9
2 初期作品中の母親と息子-11
2.1 「母を恋ふる記」における二人の母-11
2.2 理想的で不完全な母-15-
3 観念の打破-17
3.1 「二人の稚児」における矛盾構造-17
3.2 男性、女性、母性の間に介在する絶対的観念-21
4 初期谷崎潤一郎における男女の関係性-23
4.1 谷崎潤一郎の特質について-24
4.2 谷崎における女、母と男の関係性-25
おわりに-27
参考文献-30
謝辞-31