要旨:中日同形語とは、中日両言語における表記の同じ、あるいは似ている漢字で作られたものである。そのため、直接に母語として理解して使ってしまう傾向があるから、中国人の日本語学者に対しても日本人の中国語学者に対しても困らせるものに違いない。
しかし、筆者が読んでいる中日同形語に関する先行研究の中では、研究者たちはほとんど直接に辞書や授業用の教材の中日同形語を取り上げて研究している。辞書には、「死語」もあり、内容もタイムリーに更新されず、現代の中日同形語の使用を完全に反映することができないという欠点がある。そして、教材は、編集や学習者の能力のために、内容の包括性などが不足することもある。そこで、本稿では上記の不足を考慮した上で、時代的で中日同形語の頻出している近頃のニュースを対象として、その中から抽出した二字中日同形語を以下の通りに研究しようと考える。
本稿では、まず、政府の報道機関『人民網』(日本語版)の「中国語教室」という中日対訳部分において、24篇のニュース(2017年12月15日~30日)に出た計139語の二字中日同形語を抽出し、①中日同形同義語、②中日同形類義語、③中日同形異義語という三種類に分け、その中に一番多くのが中日同形同義語で、次に中日同形類義語と中日同形異義語であることが分かった。その中で、①中日同形同義語、及び②中日同形類義語の同義部分は、語義における範囲の差もあるし、品詞性やニュアンスの違いで誤用しやすいから、引き続きコーパスと辞書からの用例を頼りに、例の部分の意味、品詞やニュアンスの差異(語義の虚実、語感の強弱、毀誉褒貶)を分析し、中国人の日本語学習者に対する中日同形語学習への改善案を考えたいと思う。
キーワード:中日同形語 語義 品詞 ニューアンス
中文摘要:所谓中日同形词,即是指中日文中字形相同或相似的词语。由于和母语相似或相同,很容易就会直接按照母语的意义理解和使用,所以无论是对中国的日语学习者而言,还是对日本的中文学习者而言,中日同形词的存在都是一个令人困扰的存在。
纵观目前笔者所查到的先行研究,研究者们多直接抽取辞典和教学教材中的中日同形词进行研究。辞典中存在“死语”,且内容无法及时更新,无法完全反应当代中日同形词使用情况。而教学教材由于其编排需要和学习者能力等原因,也会使得其中所统计出的词语缺乏全面性等。因此,考虑到上述不足,本论文将选取具有时代性且常用到中日同形词的时事新闻为对象,对二字中日同形词进行如下探讨。
本文从官方媒体《人民网》(日语版)的“中国语教室”中日对译板块中24篇新闻(2017年12月15日-30日)中抽选出139个二字中日同形词,按词义将其分为①中日同形同义词、②中日同形类义词、③中日同形异义词三类。发现中日同形同义词占大多数,其次为中日同形类义词,中日同形异义词最少。其中①中日同形同义词、以及②中日同形类义词中的同义部分在词义范围上也有细微差别,其次因为词性、语感上也较难区分,所以利用语料库和辞典中的例句对这部分词的词义、词性、语感(语义的虚实、语感的强弱、褒贬)几个方面作进一步对比分析,思考中国的日语学习者如何更好地学习中日同形词。
关键词:中日同形词 词义 词性 语感
目 次
要 旨
中文摘要
はじめに-1
1 中日同形語-2
1.1 中日同形語の定義-2
1.2 中日同形語研究の現状-2
2 中日同形語の分類と結果-3
2.1 研究対象と方法-3
2.2 語義による分類の結果-3
2.2.1 中日同形同義語-4
2.2.2 中日同形類義語-4
2.2.3 中日同形異義語-5
3 中日同形語の同義部分に関する対照分析-7
3.1 語義と品詞性-7
3.1.1 語義の範囲における差異-7
3.1.2 品詞性-8
3.2 ニュアンスの異同-9
3.2.1 語義の虚実-9
3.2.2 語感の強弱-10
3.2.3 毁誉褒貶-11
おわりに-12
参考文献-14
謝辞-16