要旨:日本では、人々は宇宙に存在するすべてのものに神様があると信じている。中にはもちろん自然界の動物も含まれている。そうして形成されたのが日本人の動物信仰である。その中では狐に対する信仰は特に厚い。それは日本人の日常生活のいろいろな些細なところにも体現されている。では、狐はいったいどうしてそんなに崇められているのか。それは日本の歴史を遡り、その長い歴史の中で狐が残した足跡を見つけ出すことで、狐がいかに徐々に日本人の生活に溶け込んだのかを研究しなければわからないことである。
本文の第一章では狐自身や、狐の種類などについて詳しく紹介することで、狐と日本人の繋がりを分析する。第二章では、歴史に残る狐のさまざまな伝説を紹介し、解析することで、狐が日本文化に対する影響を説明する。この章は本文の最大な要になる。そこで、稲荷神や玉藻前、神社の神使からコックリさんの占いまで、いろいろ詳しく紹介する。第三章では、狐が中日文化における違ったイメージから、中日文化の相違を比べ、日本人独特の文化観念を解明する。
日本の長い歴史の中において、日本人はいろいろなイメージを借りて、多くの伝説を生み出した。そのイメージの中で、最も代表的かつ最も日本文化を表すことのできるのが狐しかないと思われる。本文はこのような狐に纏わる伝説を研究することを通じて、狐が日本文化に対する影響を解析し、日本文化及び日本人の文化観念を深く理解することを目的としている。
キーワード:狐 歴史 神話伝説 文化 観念
目次
要旨
中文摘要
はじめに-1
1.狐の紹介-1
1.1狐の定義-1
1.2狐の種類-2
1.3狐の生態-3
2.狐が日本文化に対する影響-3
2.1稲荷神と狐の関係-3
2.2玉藻前の伝説-4
2.3狐の嫁入りと天気雨-5
2.4コックリさん-6
3.狐から見る日本文化の特有の観念-7
3.1中日における狐のイメージの違い-7
3.2日本人の善悪観-7
3.3日本人の自然観-8
おわりに-8
参考文献:-10
謝 辞-11