要旨:日本の七夕祭は中国から生じ、千年以上の変容と伝承を経て、現代日本において、夏の伝統的な祝日の一つになっている。中国から伝わってきたものとして、七夕はなぜ日本に定着することができたか、その背景と原因を探求して、中国社会における伝統的な祝日文化に対する示唆を探ることが本稿の目的である。本稿は仙台の七夕祭を事例に取り上げて考察を行いたい。
七夕祭りに関する先行研究が、中日比較、そして日本七夕祭の祝賀行事の実態を中心に行われており、伝統文化の伝承という視点からの研究は限られている。本稿は、七夕が日本における変遷背景およびその意義をつかんだうえ、現代日本社会の中で、伝統的な祝日の伝承要因を究明することが目的である。本文は事例研究を研究方法に取り上げて、日本における最も盛大な七夕まつりの一つ―仙台「七夕まつり」を事例に、七夕についての変容と伝承を明らかにする。日本の伝統文化の伝承から汲み取った良い経験が中国社会における伝統文化の保護に示唆を与えると考える。
キーワード:七夕祭;日本;祝賀行事;伝統文化保護;啓発意義
目次
要旨
中文摘要
第1章 はじめに-1
1.1 問題提起-1
1.2 先行研究-1
1.3 研究目的と研究方法-1
第2章 七夕について-3
2.1 中国の七夕伝説―牽牛織女-3
2.2 日本の七夕伝説-4
第3章 古代から現代の七夕-7
3.1 奈良時代の七夕-7
3.2 江戸時代の七夕-7
3.3 明治時代の七夕-8
3.4 日本七夕の現状-9
第4章 仙台の七夕まつり-11
4.1 仙台七夕祭の変容と伝承-11
4.3 仙台七夕祭成功の原因-12
第5章 終わりに-15
参考文献-17
謝 辞-18