要旨:夏目漱石と魯迅は同時にそれぞれ日本と中国を代表する大文豪で、夏目漱石は日本の現代文学の芸術の巨匠で、魯迅は中国の現代文学の文壇の第一人者である。漱石と魯迅の文学の意義には隠れた関係がある。明治維新の軽率性と五四運動の不徹底性、外国に留学時の屈辱的な体験、異文化と闘うことなどの中で、彼らは別々に自分の民族の国民性を解剖し、さらに人間性の本質から社会の対立を暴き出した。そしてその立場に立って自分の国家の栄枯盛衰について考えている。彼らの小説は人生に向かい合って、社会や人生に対して慎重な思考を表現している。本論文では夏目漱石の『吾輩は猫である』と魯迅の『阿 Q 正伝』における風刺芸術を比べ、両者の心理の背景、言語の特色、創作の手法、思想の核心、風刺の内容を比較的に研究する。
苦沙弥と阿 Q を通じて、漱石と魯迅は共に封建的な愚民政治の枠の下に国民性を焦点にし、国民性の欠点をえぐることを通して、人々の注意を引き起こしようとする。
猫の笑と精神勝利法を通して、その時の社会の現象を改めて考えることができる。
日本と中国の当時の様々な制度の下の不公平な社会現象を表現した。
日本と中国の当代文学史の中で最傑出の作品の中の一つとして、彼らの芸術上の成果がたくさんあり、特に小説によく用いられた風刺の手法はその独特で優れた点である。
キーワード:夏目漱石、魯迅、風刺芸術、比較
目次
要旨
中文摘要
序論 1
第一章『吾輩は猫である』と『阿 Q 正伝』の背景 2
1.1明治維新以降の日本 2
1.2辛亥革命以降の中国 2
第二章風刺芸術への道 3
2.1従文の道と『吾輩は猫である』の出現 .3
2.2 棄医従文と『阿 Q 正伝』の形成 .3
第三章風刺芸術の比較 5
3.1苦沙弥と阿 Q .5
3.1.1苦沙弥 .5
3.1.2阿 Q 6
3.1.3人性の啓示 ..7
3.2猫の笑と精神勝利法 7
3.2.1猫の笑 .8
3.2.2精神勝利法 ..9
3.2.3猫の笑と精神勝利法 ..11
3.3「ユーモア」の言葉 .11
3.3.1漫画式の誇張 ..12
3.3.2反語の表現 12
3.3.3ユーモラスな議論 13
結論 .15
参考文献 ..17
謝辞 19