要旨:本稿では、日本語文法でよく使われる原因・理由を表す接続助詞「から」と「ので」の用法について分析し、「主観性」「客観性」の方面から「から」と「ので」の用法の相違点を考察した。「から」は、表現者が前件を後件の原因・理由として主観的に措定して結び付けられる言い方で、「ので」は、前件と後件とが原因・結果、理由・帰結の関係にあることが、表現者の主観を超えて存在する場合、その事態における因果関係をありのままに、主観を交えずに描写する言い方である。
キーワード:から ので 原因 主観性 客観性
本論の目的は日本語における原因・理由の接続助詞「から」と「ので」の意味と用法の違いを分析することである。まず、辞書と教科書から「から」と「ので」の文法説明を抜粋した。次に、「から」と「ので」に関する代表的な先行研究を紹介した。それから、「から」と「ので」のそれぞれの用法を分析し、「から」と「ので」用法の相違点を明らかにした。最終的には、「から」は主観的に説明する用法で、「ので」は客観的に記述する用法だと結論づけた。