要 旨:対称詞は人間同士がコミュニケーションをする際に、欠くことができない言語現象と言える。そして、その使い方は、それぞれの民族の文化的諸要素によって影響を受けるわけである。中国と日本は一衣帯水の隣国であるが、対称詞の使い方には似ているところもあるし、ずいぶん異なったところもある。例えば、ある小さな女の子が親を見失いで泣いている。大人が気がついたら、その子供に話しかけるだろう。日本人の場合は、あの女の子のことを「お姉ちゃん」などと呼ぶのに対して、中国人の場合は「小妹妹」などを使う。けれども、「お姉ちゃん」と「小妹妹」はちょうど対立した二つの概念である。このような対称詞ができなければ、異文化のコミュニケーションを順調に進むのを妨げて、違和感が出てくることがしばしばある。そこで、外国語を学ぶ人にとって、的確に対称詞を使うのは大切なことのように思われる。それで、本稿は、中日両国語の対称詞に関連する問題を検討していくことにしたい。
キーワード: 対称詞 親族名称 関連