要 旨:本論文ではいじめ問題において学校と PTA とのかかわりについて検討してきた。ここでは、これまで検討してきたものをまとめ、さらに今後の課題について述べようと思う。
キーワード:PTA;学校;教育
現在のいじめ問題は、いじめによる登校拒否の増加や自殺者を生むなどその態様は陰気かつ巧妙化して深刻な状況にあり、いじめ問題への取り組みは現今の教育界の重要課題である。
各学校では、その解決へ向けて様々な努力をしているが、効果的な解決策が見出せないでいるのが現状であろう。いじめが社会問題化になって日本社会はいじめ問題への関心が非常に高まった。子供をめぐる問題としていじめの解消が大きな課題となっている。文部省の「児童生徒の問題行動等に関する調査研究協力者会議」が発表した「いじめの問題に関する総合的な取り組みについて」で、学校はいじめ問題に関する保護者や地域の代表者との意見交換の機会を設けるほか、広く地域からいじめに関する情報を集める体制作りを心かけるなどの取り組みを一層推進していく必要があると指摘した。 [1] 近年、子どもたちを取り巻く社会環境が大きく変化する中で、子どもたちの健やかな成長を支援し、その課題解決に取り組むPTAの役割はますます大きくなってきました。家庭・地域の教育力の活性化もその一つで、家庭・地域・学校の三者を結ぶ架け橋としてのPTAに期待がかかります。
それでは子供たちの健全育成を主たる目的とする PTA としては、いじめ問題の解決でどんな役割をしているのか、そこで本稿では、いじめ問題で日本の PTA と学校のかかわりについて検討してみたい。