要 旨:いままで徐福東渡について多くの学者が多角度、多領域から研究してきたが、文献の角度から研究する人はまだ少ない。よって小論は文献の角度から徐福東渡について検討してみたいのである。
キーワード:徐福;東渡;文献;記載;功績
今から 2200 年前,秦の時代の中国に徐福という人物がいた。徐福は始皇帝に,はるか東の海に蓬莱・方丈・瀛洲という三神山があり、仙人が住んでいるので不老不死の薬を求めに行きたいと申し出した。
そして,徐福は数千人の童男女・百工(職人)らと一緒に何日もの航海の末にどこかの島に到達した。 実際, 徐福がどこにたどり着いたかは不明であるが,司馬遷(紀元前145~前90没)こそが、最初に、徐福の人となりを肯定した。
その畢生の名著『史記』には四回も、徐福のことを取りあげている。以降秦の時代から清の時代まで、歴代の王朝の交替があり、『史記』『漢書』などの史書で徐福を記録したことがある。また、各時代の地方史と著名人による文学作品にも徐福に関する記録があるので、 これらの記載は徐福東渡を研究するうえで重要な手がかりとなる。 徐福東渡は中日両国だけでなく人類文明史に置いても重要な存在である。