序論
天照大神(あまてらすおおみかみ)は、日本の神様の中で最高神の地位を占める神様で、太陽の神であり、高天原(たかまがはら)の主宰神だと言われている。「天照大神」と書いて、「あまてらすおおみかみ」と読む、文字通りには「あまてらすおおかみ」と読むが、皇室の祖神ということで、尊敬の意を込めて「あまてらすおおみかみ」と読む習わしになっている。その名の通り、あらゆる生命にとって必要な太陽を象徴する神である。日本では古くから太陽を「日の神」として信仰し、天照大神ももともとはそうした太陽信仰から発展した神霊である。ただ、ほかの信仰と違い、古代日本人は太陽神そのものを信仰するほかに「日の神」に民族の祖神というイメージを重ねて祀った。日本は今、天皇が天照大神の子孫だと信じられている。そうした二重の性格を備えた神が天照大神である。
さまざまな研究結果から、古来より男性神説と女性神説とがあったが、近年は女性神説が有力である。天照大神は、皇室の祖神とされ、女神だったと日本書紀には書かれている。しかし、これは、戦前から疑問されていた。ある文献からみて、女性神説には論拠が十分ではない。
本当に天照大神は女性神か、実は男性神ではないだろうか。
本稿の目的は、天照大神は男性神だということを証明することである。文献で記載される内容を参考に、天照大神は男神であったことを分析したい。
大体六つの方面から説明したい。