要旨:初期の日本庭園は簡単に中国の庭園をまねるとは明らめのことであったが、その後、日本人は中国の造園構想を基にして、自分特有の庭園形式を創造した。その精緻で簡潔な美は人々を強く引き付けている。日本庭園芸術の最高峰と呼ばれた枯山水の庭園は更に独特な魅力を持っている。
枯山水の誕生は日本独特な環境とその環境から生まれた日本人の高度な美の感覚とは深い関係がある。枯山水について一番核心部分は「山水思想」である。水を感じさせるために水を抜いた枯山水は、日本民族の究極の「引き算の美学と思想」を表している。そこには「負けの山水」こそが真の「胸中山水」であるということが見えている。枯山水の庭園は日本人の永遠への熱望、資源への重視と侘びへの憧れが含まれている。
本稿では日本の枯山水の庭園の構造要素と形成した客観的原因を分析して、日本国民が独特な自然環境の中に生まれた特有な美学と思想を尋ねるのである。
キーワード:枯山水、禅、庭園、美意識