要旨:本稿は主に外来語の表記、外来語の役割、広告における外来語の品詞類、外来語と在来語使い分けなどについて論じた。理論的な問題に対する考察の不足は今後の課題にし たい。
キーワード:広告;外来語;特徴;調査
外来語とは、外国語の単語が音訳され、其の国の言葉の音韻体系に組み込まれて、表 記意味、発音などの点で其の国の言葉の語彙体系の一部となったものである。日本語の語彙は、広義的には、和語と呼ばれる固有語と他の語から受けられた外来語に分けられる。外来語には、中国語、英語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、オランダ語等から借用された語が含まれ、 それらは同一資格を持っているはずである。 しかし実際には、中国語由来の語彙だけは「漢語」という名称を与えて別扱いにするのが普通である。そのため、日本語において外来語と言う時には、一般的には漢語を含めない。主としてヨーロッパ語系からの借用語を指すことが多い。
外来語は人々に新鮮さ、洒落た感じ、近代的、洋風等といった印象を与える。周知の通り、日本では出版事業が非常に発達していて、新聞、雑誌の発行量が多い。ある統計によると、新聞に出てきた外来語の比率は約 10%を占めるのに対して、女性雑誌、食品雑誌、服装雑誌等の刊行物の中に出てきた外来語の比率はもっと大きい。これはメーカーと商店の主人が、人々が新鮮感を追求するという感覚によって判断したりするという心理を捉えて、無闇に外来語を使って自分の新製品を売りさばいているということに原因がある。例えば、1995年1月13日《日本経済新聞》に日本三井不動産会社の広告「モデルルームプレオープン。10月14日より」がある。この広告の中に和語と漢語で日付を表す他に、広告の主な内容は全て外来語を使っている。例えば、 「モデル」―「見本」 、「ルーム」―「住宅」、「プレ」―「予約」、 「オープン」―「開始」である。
もしこの広告に以上の外来語をすべて漢語に変えるとすれば即ち「見本用住宅予約開 始」であれば、広告の効果を失うであろう。(日本言語文化論集第一集 北大出版社)柳父章は≪日本語はどう書くか≫の中に「カセット効果」 (カセットは小箱の意味である)を取り上げている。外来語は正に「カセット効果」のようにはっきりしなければしないほど人を引き付ける魅力がと言える。今では、メーカーは広告を作る時、新製品の宣伝力を強めるために、カタカナで表記される外来語を多く使っている。之ばかりではなく、直接英語を表す場合もある。例えば、2005年4月1日のGrazia雑誌に載った広告「30代美人髪、BEST55 ファイル」の中に、外来語「ファイル」、英語「BEST」を使って非常に人目を引くのである。
広告は特に顧客を誘致するために、商品や興行物等について、多くの人に知られるようにするために人々に新しさ、洋風、近代的等といった印象を与える外来語を沢山使っている。外来語は科学的信頼性という雰囲気を引き出す機能を有する。従って、広告が外来語を使用することにより、視聴者の劣等感を誘発し、製品を高品質で望ましいものとして知覚させることができる。それでは、外来語が広告においてどのように使われているのか、外来語が広告において比率がどれぐらいあるだろうか。本稿は2005年4月1 日の朝日新聞の広告に基づいて広告における外来語の使用状況を論じる。